トップの決断は早く

迷う、悩む、考える。

人間だから当然である。

先のことは誰も分からない。

 

不安、自信がない、失敗への恐れ。

自分の決断によって

組織が誤った方向に進むかもしれない。

その重圧は相当なものだ。

 

しかし、

分からないから決断しない、

重圧から逃れるために決断しないのは

トップとしての責任放棄である。

 

あのとき決断をしなかったことが良かった

ということもまれにはある。

ただしそれはまれである。

しかもそのまれの大部分は

責任逃れをごまかすための

後付けであることが多い。

多くの場合は、

そのときに決断しなければならない。

 

決断ができないために、

責任を逃れるために、

トップが「もう少し調べてみろ」とか

「もう少し様子を見る」という

指示を出すことがある。

しかし、

それ以上様子を見ても状況は変わらない。

決断の選択を迫られたときが、

そのタイミングなのである。

もしかすると、最適なタイミングは

もっと前だったということもある。

だから今すぐに決断しなければならない。

 

では決断を早くするための訓練は

どうするか?

 

①想像力を広げる

いつもいろいろなことを考える。

仕事以外のことも考える。

自分だったらこうするなと想像する。

こういう意図でこのサービスはあるのだな

と想像する。

そうすることで、どんなことが起きても

想定内の出来事にしてしまう。

 

②深い知識を身につける

まずは自分の仕事に関する知識をつける。

起きたこと、出てきたデータに対して

さまざまな角度から、そして深く分析する。

また読書やセミナーへの参加などで

深い考えに接する機会を増やす。

 

③すぐに決断するくせをつける

定食屋さんでの注文のメニュー、

居酒屋でのおつまみのメニュー、

休日の予定を決めるなど、

私生活における決断の場で

すぐに決めるくせをつける。

 

決断をすることで前に進む。

想定と違う方向に進むことも

あるかもしれない。

しかし、決断をしたことにより

組織は動き出す。

動いているならば

仮に想定と違う方向に進んでいても

修正するだけで難しくはない。

修正のための決断をすればよい。

 

一歩目を動かすことがもっとも力がいる。

一歩目を踏み出せるのは決断のみである。