仮想敵国をつくる考え方の功罪
何かをやりたい、
こうなりたい、
こんな組織にしたいと考える。
そのときに、
自分自身がこうなりたいという、
自ら沸き上がる情熱による考え方と、
あの人みたいになりたい、
あんな大企業のようになりたいという、
他者と比較して目標を設定する
考え方がある。
どちらの考え方も長所、短所がある。
・自分自身がこうありたいと思う
長所:自ら発する情熱なので想いが強い
短所:考えが独りよがりになることがある
・他者との比較
長所:相手との比較で何をやるかが
見えるので組み立てやすい
短所:自分からのスタートではないので
想いがぶれやすい
初期の頃は、他者と比較した方が
スムーズに進むかもしれない。
目指すべき姿が分かりやすいし、
自分と比較することができるし、
他者の強み弱みを分析しやすいからだ。
しかし、その考え方である程度成長し、
さらに、そのまま進んでいくと
いつか行き詰まる。
その理由は、
自分というアイデンティティを見失い、
常に目指す他者を
探し続けてしまうからだ。
そしていつの日か、
探し続ける他者の存在が
「目指そうとする理想」から、
「負かしてやろうとする敵国」に
替わってしまう。
そうなると、
何のための成長なのか、
何を目指しているのかが分からなくなり、
やる気が落ちてしまう。
「他者との比較」から
「自らの情熱」への転換点を
読み間違えないようにしたい。